- こんな症状に心当たりは?
- 双極性障害(躁うつ病)とは?
- 躁状態・うつ状態・混合状態の特徴
- うつ病との違いと見分け方
- 原因と発症リスク
- 診断基準(DSM-5)
- 治療法(薬物療法・心理社会的治療)
- 双極性障害は一生治らない?再発と向き合う
- 堺市で双極性障害の相談をご希望の方へ
こんな症状に心当たりは?
気分が急に高まって「なんでもできそう」と感じたかと思えば、数日後には動けないほど落ち込んでしまう。
衝動的に高額な買い物をしたり、寝ていないのに異様に元気だったり…。そんな気分の波に振り回される毎日を送っていませんか?
以下のような症状がないか、確認してみましょう。
双極性障害(躁うつ病)の症状
- 夜中でも眠らずにずっと起きている
- 次々とアイデアが浮かんで止まらない
- 人とのトラブルや衝突が増えた
- 落ち込む日が続いたかと思えば、妙に明るい日もある
- イライラして感情を抑えきれない
- 「絶好調」なのに、周囲が心配してくる
- 日常の波に自分がついていけない
これらの症状が続くようであれば、「うつ病」とは異なる別の心の病気が隠れている可能性もあります。
実は双極性障害(躁うつ病)では、こうした気分の波やコントロールできないハイテンションが現れることがあります。
「うつ病の治療を受けているのに、なかなかよくならない…」
そんな方も、本当の診断が見逃されている可能性があります。
次の章では、「双極性障害とは何か?」について、わかりやすく解説していきます。
双極性障害(躁うつ病)とは?
双極性障害は、躁状態(または軽躁状態)とうつ状態が繰り返し現れる疾患です。
多くの方は、良いことや嬉しいことがあると気分が高揚し、逆に失恋や仕事で失敗したときなどは気分が沈みます。
しかし、双極性障害では、このような「気分の浮き沈み」を遥かに超えた激しい病的な症状が一定期間現れ、厄介な問題が次々と生じます。
どんな人が双極性障害(躁うつ病)になりやすい?
発症する年齢は20~30代が多く、発症率は約100人に1人と決して珍しい疾患ではありません。
うつ病は女性の方が若干多い傾向があるとも言われますが、男性にも十分起こり得る病気です。
一方、双極性障害では男女差は比較的少ないとされています。
「障害」という言葉がついていることで偏見を持たれたり、患者様が言葉に縛られたりすることがあるため、近年では「双極症」とも称されます。
躁状態・うつ状態・混合状態の特徴
躁状態、うつ状態って?
双極性障害では、気分が高揚する躁状態と、気分が低いうつ状態が繰り返し現れます。
躁状態では、性格が変わったように気分が昂り、かなり明るい様子を見せます。
一方、うつ状態では、心身ともにエネルギーが切れたかのような状態となり、後ろ向きな考えや気持ちが長期間続きます。
躁状態の症状
躁状態において、自己過信に陥ったり、ほとんど睡眠を取らなくても平気だと感じたり、夜通し話し続けたりすることがあります。
また、高額な買い物をする、暴言を吐くなどの行動も見られます。
- 自信過剰になる
- 睡眠不足でも元気
- 口数が増える
- 行動が活発化する
- アイデアが次々と浮かぶ
- 集中力が散漫になる
- 気性が荒くなる
- 高額な買い物、危険な行為をする
うつ状態の症状
うつ状態では、不快で暗い気持ちが終日続きます。中々眠ることができず、眠れても深夜や早朝に目を覚まされることがあります。
興味を持っていた事柄にも関心が薄れ、絶望や無力感に囚われることもあります。
- 憂鬱な気分
- 眠りが浅い
- 寝ている時間が長い
- やる気が出ない
- 物事を楽しめない
- 疲れやすくなる
- 何も手につかない
- 自ら命を絶とうと思う
混合状態の特徴
混合状態とは、躁状態からうつ状態へ、あるいはうつ状態から躁状態へ変わるときなどに起こり得る現象です。
気分が重いのに行動が活発など、躁とうつの症状が同時に現れることがあります。
気分が滅入っているにもかかわらず、焦燥感やイライラから行動量が増えるため、最悪の場合、自殺する危険性もあります。
混合状態の症状
- 基本的には躁状態でありながらも、不安を感じ、涙を流すことがある
- うつ状態であるにもかかわらず、頭の中で「あれもやろう、これもやろう」と考えて静かにいられない
うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違いとは?見分けと注意点
うつ状態が長く続いてつらい日々を過ごしているものの、なかなか治療の効果を感じられない…
そんな方は、実は「うつ病」ではなく「双極性障害(躁うつ病)」の可能性もあります。
両者は一見似ているようで、症状の出方や治療アプローチが大きく異なります。
ここでは、その違いや見分け方、注意点についてわかりやすく解説します。
主な違い:躁状態があるかどうか
双極性障害とうつ病の一番の違いは、「躁状態(または軽躁状態)があるかどうか」です。
- うつ病:気分の落ち込みや無気力といった「抑うつ状態」のみが続く
- 双極性障害:抑うつ状態に加えて、気分が異常に高まる「躁状態(または軽躁状態)」が周期的に現れる
躁状態では、エネルギーが異常に高まり、以下のような行動が見られることがあります。
- 寝ていないのに元気で活動的になる
- 言動が次々と移り変わり、まとまりがない
- 自信過剰になり、高額な買い物など突発的な行動をとる
- 社会的・金銭的トラブルを起こす可能性がある
うつ病と双極性障害の特徴比較
| 症状項目 | うつ病 | 双極性障害 |
|---|---|---|
| 気分の変動 | 落ち込みのみ | 落ち込みと高揚(躁)の波がある |
| 睡眠 | 不眠傾向 | 躁時は睡眠が少なくても元気、うつ時は過眠になることも |
| エネルギー | 低下し続ける | 高すぎたり低すぎたりを繰り返す |
| 衝動性 | 少ない | 躁状態では衝動的になる傾向 |
| 社会生活 | 引きこもる傾向 | 躁時にトラブルを招く可能性 |
双極性障害にはタイプがある
双極性障害Ⅰ型
- 明らかに激しい躁状態を経験
- 日常生活に支障、入院が必要な場合もある
双極性障害Ⅱ型
- 軽躁状態とうつ状態を繰り返す
- 本人は「絶好調」と感じて異変に気づきにくい
混合状態にも注意
双極性障害には「躁うつ混合状態」と呼ばれる状態もあります。
気分は沈んでいるのに焦燥感が強く、行動が活発になるなど、躁と抑うつの症状が同時に現れる状態であり、自殺リスクが特に高いとされています。
見分けのヒント
以下のような傾向がある場合は、うつ病ではなく双極性障害の可能性があります。
- 過眠・過食傾向が強いうつ状態
- イライラや怒りっぽさが目立つ
- 抗うつ薬服用後に気分が高揚しすぎた
- 以前に「妙に絶好調だった時期」がある
特に、抗うつ薬の服用でイライラや怒りっぽさが増した場合は、双極性障害の可能性を疑い、治療方針の再検討が必要です。
まとめ
双極性障害とうつ病は似ているようで治療法が大きく異なるため、早期に正確な診断を受けることが重要です。
「気分の波が激しい」「治療が効かない」といった場合は、当院までご相談ください。
双極性障害の原因と発症リスク
双極性障害の正確な原因は現時点では解明されていません。
しかし、多くの研究から、以下のような複数の要因が関与している可能性が高いとされています。
遺伝的な要因
双極性障害は、家族歴がある場合に発症リスクが高まることが知られています。
一親等の家族に同じ病気の人がいる場合、発症の可能性が一般の人よりも高くなる傾向があります。
脳内の神経伝達物質のバランス異常
ノルアドレナリンやセロトニンなどの神経伝達物質の働きの乱れも、双極性障害に関与していると考えられています。
これらは脳内で感情や意欲、睡眠などをコントロールする重要な物質であり、その分泌や受容のバランスが崩れることで、気分の大きな変動を引き起こす可能性があります。
ストレスなどの環境的要因
仕事や人間関係のストレス、生活の変化、喪失体験などが引き金となって、双極性障害の症状が現れることもあります。
ただし、こうしたストレスと発症との直接的な因果関係は、現段階では科学的に証明されていません。
ホルモンや薬物の影響
甲状腺機能亢進症のように、ホルモンバランスの乱れが躁状態の症状を引き起こすこともあります。
また、コカインやアンフェタミンといった薬物の使用が、躁症状の誘因になるケースも報告されています。
双極性障害の診断基準
双極性障害の診断は、身体疾患とは異なり、血液検査や画像検査などでは確定されません。
診断には、国際的に広く認められているWHOのICD-10や米国精神医学会のDSM-5が使用されます。
また、急速な躁・うつの交代や繰り返しがみられる場合、「急速交代型」または「ラピッドサイクラー」と呼ばれます。
DSM-5による双極性障害Ⅰ型とⅡ型の診断基準は以下の通りです。
双極性障害Ⅰ型・Ⅱ型の診断基準
| 双極性障害Ⅰ型 | 躁のエピソードが1回でも観察されれば、双極性障害のⅠ型と診断されます。軽躁や抑うつのエピソードは考慮されません。 |
|---|---|
| 双極性障害Ⅱ型 | 過去に躁のエピソードが1度もなく、軽躁のエピソードが最低1度あること、そして抑うつのエピソードを経験していることが条件です。 |
躁と軽躁の違いは、日常生活や社会生活において大きな影響を及ぼしているかどうかです。
躁状態の時には、食事や睡眠、仕事、人間関係などが大きく影響を受けることがあり、入院が必要な場合もあります。
また、躁状態には気分の高揚だけでなく、イライラした気持ちが支配する可能性もあるため、注意が必要です。
混合状態
躁エピソードと抑うつエピソードが混在する「混合状態」の場合、DSM-5に基づいて診断される際には、次の基準に注意が必要です。
躁エピソードまたは軽躁エピソードの基準を完全に満たし、現在または直近の期間の大部分において、以下の症状のうち少なくとも3つ以上が現れる必要があります。
- 著しい不快感や抑うつ感
- 興味や喜びの欠如
- 精神運動性の制止
- 疲労感や気力の低下
- 自己評価の低下・罪悪感
- 死に対する反復思想
気分循環性障害
双極性障害と似た疾患として、「気分循環性障害」が存在します。
気分循環性障害は、双極性障害よりも比較的症状が軽いという特徴があり、診断の基準は以下の通りです。
- 2年以上、軽躁エピソードの基準を満たさない軽躁症状と、抑うつエピソードの基準を満たさない抑うつ症状が期間の半分以上見られる
- 症状のない期間が2カ月以上ない
双極性障害の治療
双極性障害の治療には、薬物療法と心理社会的治療が必要であるとされています。
ただし、「心の悩み」とは異なり、カウンセリング単体では完全な回復が見込まれません。
そのため、治療法には薬物療法を中心とし、それに補完する形で組み立てられます。
薬物療法
うつ病向けに用いられる抗うつ薬は、双極性障害のうつ状態にも効果がみられることはありますが、躁転(そうてん)リスクを高める恐れがあるため、通常は気分安定薬や非定型抗精神病薬と併用するなど慎重に用いられます。
双極性障害の治療法は、躁状態・抑うつ状態・維持期(症状が安定している状態)で異なります。
通常、気分安定薬や非定型抗精神病薬が使われますが、症状の多様性から薬の選択が複雑です。
主治医とよく相談し、治療を受ける必要があります。
中には血中濃度を測定しながら投与量を注意深く調整する必要がある薬もあり、正確なデータ取得のために処方通りに服用することが不可欠です。
特に注意が必要なのが、双極性障害のうつ状態に対する治療です。
うつ病向けに用いられる抗うつ薬は、双極性障害のうつ状態にも効果がみられることはありますが、躁状態へ切り替わる「躁転」のリスクがあるため、気分安定薬や非定型抗精神病薬と併用し、慎重に使用されます。
また、うつ病の治療がなかなかうまくいかない背景に、実は双極性障害が隠れているケースもあります。
診断と治療方針は、医師とよく相談しながら丁寧に進めていくことが大切です。
心理社会的治療
心理社会的治療だけでは双極性障害の治療は完全には行えません。
しかし、薬物療法と併用することで、治療全体をスムーズに進めることが期待できます。
双極性障害における心理社会的治療は、一般的なカウンセリングとは異なり、患者様が自身の疾患を理解し、受け入れ、病気を管理する手助けをする「心理教育」と呼ばれるものです。
心理社会的治療を通じて再発の兆候にすぐに気付き、適切に対処できるようになると、再発時に早期に治療を開始することが可能になります。
再発を放置することは、双極性障害の悪化を招くため、これは極めて重要です。
双極性障害は一生治らない?再発と向き合うために
双極性障害は、再発のリスクを伴う慢性的な病気です。
そのため「一生治らない」という表現を耳にすることもあります。
しかし、正確には「症状の再発を防ぎながら、長期的に安定した状態を保つことが可能な病気」と言えます。
この障害は、適切な治療を受けることで症状を大幅にコントロールできることがわかっています。
気分の波が再発しやすいという特徴があるため、医師との継続的な相談や治療が重要です。
特に再発を予防するためには、気分安定薬の服用や生活リズムを整えることが効果的です。
また、ストレスを避ける工夫や、症状の早期発見のためのセルフケアも重要な役割を果たします。
双極性障害は、完全に「治った」と言い切ることが難しい病気かもしれませんが、
適切な治療とサポートを受けながら、自分らしい生活を送ることは十分可能です。
焦らず、専門家の助けを借りながら向き合うことが大切です。
堺市で双極性障害(躁うつ病)のご相談を希望される方へ
「うつ病の治療を受けてもなかなか改善しない」「気分の波が激しく、自分でもコントロールできない」 といったお悩みがある方は、双極性障害の可能性も視野に入れた対応が必要です。
堺そらはねメンタルクリニックでは、精神科専門医による丁寧な診察と、患者様の背景に寄り添った治療を行っております。
- 南海高野線「三国ヶ丘駅」から徒歩2分のアクセス
- 予約制で、落ち着いた環境でゆっくりお話を伺います(空きがあれば当日予約も可能です)
- 双極性障害に対する治療経験が豊富な精神科専門医が在籍
まずは「もしかして…」という段階でも構いません。
ご自身の状態を確認する意味でも、お気軽にご相談ください。


